ショスタコーヴィッチ、レニングラード
- 2014/10/13
- 10:14
昨日、ウルバンスキというポーランドの若い指揮者と東京交響楽団の演奏で、ショスタコーヴィッチの交響曲7番 レニングラードを聴いてきました。
第2次大戦中、ドイツ軍がレニングラード(現サンクトペテルブルク)を攻撃し、さらに900日にわたって包囲してソ連軍と戦ったのですが、この包囲戦の最初の数か月、ショスタコーヴィッチもレニングラードにいて人民義勇軍の消防隊員として防衛に参加していました。
この包囲戦では、100万人以上の死者が出たとされ、食糧難から人肉を食べたとも伝えられていて、想像を絶する凄惨な戦いでしたが、ソ連はついに最後までこの都市を守り通しています。
この曲は、この包囲戦の最中に作曲され、1942年3月にクイビシェフで初演された際にはラジオ放送が行われて国をあげての大イベントとなり、その後、包囲戦中のレニングラードでも相当な困難の中演奏されています。
ショスタコーヴィッチは、それまでの作曲家人生で、共産党から作曲内容がブルジョア的だと批判されて危機に陥ったり、その後、5番の交響曲で評判を回復したりするなか、この曲に至っています。
この曲では、ドイツファシズムとの戦いがテーマとなっていますが、本当のところはスターリン以下のソ連全体主義への抵抗も描いている、と後に語ってもいます。
曲は、全体としての重苦しさのなか本当にものすごいエネルギーが詰まった曲で、すさまじい音響にも満ちています。
私は、この曲を、クアラルンプールで、ケース・バケルズという指揮者とマレーシアフィルの演奏で、7-8年前に初めて聴いたのですが、そのときの演奏では、アンサンブルで大ミスがあったにもかかわらず、大変な迫力と情念のある演奏で、心の底から圧倒され、それから1週間くらい頭の中で曲の音が鳴っているくらいでした。
曲のパワーと演奏のパワーが相まって、記憶にはっきり残る音楽鑑賞体験でした。
そのときのことが忘れられず、今回、聴きに行きました。
今回の演奏、よくまとまっていて、バランスが取れ、金管楽器もよく鳴っていました。
ホルンが、9本!
しかし、なぜか私の心にはあのときの興奮は届きませんでした。
ウルバンスキ、ポーランド人ですが、ポーランドは第二次大戦の始まりとなったナチスドイツのポーランド侵攻と同時に、反対側からヒトラーと示し合わせたスターリンのソ連軍に侵略される、という悲惨な過去を持っています。
この曲の歴史的背景への理解、思い入れは十分だと思ってたのですが・・
私の方のコンディションが悪かったか、聴き方が悪かったのかもしれません。
また、この指揮者、情念より知性、というタイプかも知れません。
なかなか、難しいところです。
演奏後、指揮者が、演奏でがんばった楽員(管楽器と打楽器奏者になりますが)を、一人ずつ立たせていましたが、最初の5人くらいはすべて女性でした。
このオケも、大変女性の多いオケでした。
第2次大戦中、ドイツ軍がレニングラード(現サンクトペテルブルク)を攻撃し、さらに900日にわたって包囲してソ連軍と戦ったのですが、この包囲戦の最初の数か月、ショスタコーヴィッチもレニングラードにいて人民義勇軍の消防隊員として防衛に参加していました。
この包囲戦では、100万人以上の死者が出たとされ、食糧難から人肉を食べたとも伝えられていて、想像を絶する凄惨な戦いでしたが、ソ連はついに最後までこの都市を守り通しています。
この曲は、この包囲戦の最中に作曲され、1942年3月にクイビシェフで初演された際にはラジオ放送が行われて国をあげての大イベントとなり、その後、包囲戦中のレニングラードでも相当な困難の中演奏されています。
ショスタコーヴィッチは、それまでの作曲家人生で、共産党から作曲内容がブルジョア的だと批判されて危機に陥ったり、その後、5番の交響曲で評判を回復したりするなか、この曲に至っています。
この曲では、ドイツファシズムとの戦いがテーマとなっていますが、本当のところはスターリン以下のソ連全体主義への抵抗も描いている、と後に語ってもいます。
曲は、全体としての重苦しさのなか本当にものすごいエネルギーが詰まった曲で、すさまじい音響にも満ちています。
私は、この曲を、クアラルンプールで、ケース・バケルズという指揮者とマレーシアフィルの演奏で、7-8年前に初めて聴いたのですが、そのときの演奏では、アンサンブルで大ミスがあったにもかかわらず、大変な迫力と情念のある演奏で、心の底から圧倒され、それから1週間くらい頭の中で曲の音が鳴っているくらいでした。
曲のパワーと演奏のパワーが相まって、記憶にはっきり残る音楽鑑賞体験でした。
そのときのことが忘れられず、今回、聴きに行きました。
今回の演奏、よくまとまっていて、バランスが取れ、金管楽器もよく鳴っていました。
ホルンが、9本!
しかし、なぜか私の心にはあのときの興奮は届きませんでした。
ウルバンスキ、ポーランド人ですが、ポーランドは第二次大戦の始まりとなったナチスドイツのポーランド侵攻と同時に、反対側からヒトラーと示し合わせたスターリンのソ連軍に侵略される、という悲惨な過去を持っています。
この曲の歴史的背景への理解、思い入れは十分だと思ってたのですが・・
私の方のコンディションが悪かったか、聴き方が悪かったのかもしれません。
また、この指揮者、情念より知性、というタイプかも知れません。
なかなか、難しいところです。
演奏後、指揮者が、演奏でがんばった楽員(管楽器と打楽器奏者になりますが)を、一人ずつ立たせていましたが、最初の5人くらいはすべて女性でした。
このオケも、大変女性の多いオケでした。
スポンサーサイト